8月6日、全国盲ろう教育研究会第20回研究協議会を教職員、保護者、盲ろう当事者、研究
者、医療・療育関係者、学生等、さまざまな立場の方々、100名程の参加を得て、オンラインに て以下の内容で実施いたしました。
〇開会式
当研究会会長中澤惠江の挨拶後、20年来、盲ろう児・者と関わられている宮路拓馬衆議院
議員からメッセージをいただきました。
〇実践報告
実践報告T「弱視難聴児童の実態把握から指導内容を検討し、実践につなげる」
筑波大学附属視覚特別支援学校教諭 佐々木望美 氏
対象児童の視覚と聴覚の活用の様子と発達段階等を踏まえて、課題を明確にし、児童の主
体的な活動を引き出しながら実感を伴ったことばや概念を育んでいる実践の様子を多くの映 像を交えながら報告いただきました。
実践報告U「新潟市で福祉就労するSさんの社会生活」
新潟地区手をつなぐ育成会 あすなろ福祉園生活支援員 上田淳一 氏
Sさんが盲学校を卒業後、社会人としてどのような生活を送っているのか、学校で得た力が、
今現在、どのように活かされているのか、そして、どのような課題があるのか、日々の生活の 様子と職員からのメッセージやご両親のねがい等を交えながら、報告をいただきました。
〇情報提供
1.「盲ろう児コミュニケーション教育・支援ガイド」日本語出版記念セミナー
元筑波大学技術大学 岡本明 氏
2.盲ろう教育に係るデータベースの紹介
筑波大学附属学校教育局 雷坂浩之 氏
〇シンポジウム「盲ろう教育の現状と課題を踏まえて、今共有したいこと」
シンポジスト:青木隆一 氏(千葉県立千葉盲学校校長)
上峯 忍 氏(鹿児島県立出水養護学校教諭)
井本千香子氏(盲ろう児と家族の会ふうわ会長)
亀井 笑 氏(筑波大学附属視覚特別支援学校教諭)
コーディネーター:雷坂浩之 氏(全国盲ろう教育研究会副会長)
シンポジストそれぞれの立場から、教育現場で盲ろう児の指導に当たる中で悩み考え
たことや実践の中で学んだこと、保護者の立場で望むことやねがい、アメリカとオランダの盲ろ
う教育の実践から学んだこと、盲ろう教育を取り巻く施策や教育行政等を語っていただきまし た。これらの問題提起を受け、盲ろう教育を巡る課題の共有を図り、今後の研究会の取組や 各機関等への働きかけに活かしていくことを確認いたしました。
〇閉会式
当研究会副会長星野勉より研究協議会のまとめと御礼を申し上げました。
視覚と聴覚の両方に障害を併せ有する「盲ろう児・者」の教育及び福祉に関わる多様な事柄
を研究し、その向上に寄与することを目的として2003年に発足した当研究会は、様々な立場の 方々のご協力とご支援の下、毎年度、研究協議会を実施し、今回、第20回という節目の研究 協議会となりました。オンライン開催ではありましたが、画面越しに盲ろう教育に関心をお持ち の多くの方々と時間を共有できたこと、とても有難いことでした。ご報告や話題提供いただいた 皆さま、ご参加いただいた皆さま、要約筆記等ご協力いただいた皆さまに心から感謝申し上げ ます。 |