2015年度全国盲ろう教育研究会第13回研究協議会の報告

 2015年9月19日・20日に全国盲ろう教育研究会第13回研究協議会を開催いたしまし
た。今年度は、埼玉県熊谷市の四季(とき)の湯温泉 ホテル・ヘリテイジにおいて、盲ろ
うの子とその家族の会「ふうわ」との共同での開催となりました。全国から盲ろう教育に
携わっている教職員や関心をお持ちの方々、盲ろう児者とその家族、ボランティアなど、
約200名ほどが集いました。
 
  

 開会式では、当研究会会長、ふうわの実行委員長、それぞれの立場から共同で開催
することの意義について話しがあった後、「Sさんの学校生活紹介 〜新潟盲学校の取
組〜」と題し、新潟県立新潟盲学校の上田淳一教諭、田邊佳実教諭から実践報告があ
りました。幼稚部から高等部までの上田先生のSさんとの関わり、教育活動のようすをご
報告いただきました。点字の初期導入、自転車に乗れるようになった取組など具体的な
事例を紹介しながら、細かいステップを踏まえながら、一歩先の課題を見据えて取り組
んできた様子、Sさんが自分で考えて、試行すること、わかった・できたことの楽しさを実
感させる取組、Sさんに内在化する自己成長の願いとその可能性を引き出してきた様子
についてなど、実践報告がありました。最後には、Sさん自身と家族の方も登場いただ
き、会場の参加者に感動と活力を届けました。
 

【実践報告】
 その後のポスター発表は8件、盲ろう当事者から2件の発表があったことは特筆すべき
ことでした。今回は、教育実践報告のポスターが出されなかったことが残念なことで、次
回への課題となりました。
 
 
【ポスター発表】

 2日目の午前は、共同開催ならではの「スペシャルプログラム」で、盲ろうの子どもたち
と一緒に体験コーナーを回ったり、森林公園で遊んだりする時間を共有しました。午後
は、テーマ別ワークショップ、おもちゃづくり体験、ICTを使ってみよう、盲ろう体験「ラジ
オ体操第3」をやってみよう、盲ろう乳幼児・児童・生徒を初めて担当したあなたへの4つ
のワークショップに分かれ、さまざまな体験をしたり、日頃の悩みを出し合い、考えたりし
ました。
 2日間、多くのボランティアの方々にお世話になるとともに、参加いただいた皆様にも
運営にご協力いただきましたこと、有難うございました。お礼を込めてご報告いたしま
す。

 
【ワークショップ】